no.8 Just Feelingで考えたこと。インタビュー☆

こんにちは。気がつけば11月下旬。街はクリスマスムードな感じになってきましたがいかがお過ごしでしょうか?キタザキです。今回の蝶和ビルリノベーションについてインタビューを受けましたのでご紹介します。
*実際は一人二役で自分でインタビューにしています

Q:今回のお部屋「Just Feeling」ですが、これまでキタザキさんがデザインしたお部屋と比較してすごく男性的な空間に仕上がっているようですが。
A:はい。今回ターゲットを熊本県出身のおしゃれ感度の高い、31歳(27歳の彼女有)男性にしました。27歳の彼女も熊本県出身で25歳までは福岡に住んでいたのですが今は熊本の実家で暮らしています。少しだけ遠距離。彼女23歳のときに共通のお友達の紹介で交際がスタート。交際歴4年。まだ結婚うんぬんの話はでていないようです。福岡と熊本ぐらい離れてるぐらいがちょうどいいとお互い口をそろえて言っています。趣味は。。。

Q:あっ!!もういいですよ!!妄想は。いや、しかし膨らみますね~。
A:はい。出来る限り膨らまします。楽しいので。

Q:今回のコンセプト「”Hello New VINTAGE”80’s Renovation」。そしてテーマ/タイトルの「Just Feeling」。このあたりのお話を聞かせてください。
A:以前ブログに書かせていただきましたよ!!プンプン!!
  http://r100p.space-r.net/r100p/part5-no-1/

Q:アア、、すみません。ちゃんと読ませてもらっているのですが、一応聞いとこうと思いましてね。ではお部屋の細かなこだわりを教えていただけますか?
A:はい。細かな部分より先に大まかなところから。今回のお部屋がある建物「蝶和ビル新館」は1989年築。築23年です。僕たちはこれまでに築30年~50年のビルを主にリノベーションしてきました。特に近年は古い良さを活かしつつ、新しい価値、デザインを加えていくリノベーションをしています。築30年以降の建物は「レトロ」という言葉に馴染むような室内の雰囲気、細かなパーツが使われており 逆に築20年位の建物はどちらかというと「新しめ」という印象でしかありませんでした。ですから正直リノベーションのお話をオーナーさんから頂いた時、お部屋を見させていただくまではしっくりきていませんでした。ところがお部屋に入り見てみると、至る所に80年代の古き良きパーツが散りばめられていました。

Q:「Hello New VINTAGE」とはここからきているのですね。
A:はい。自分で勝手に閉じてしまっていた「80年代レトロ」の扉がこのお部屋のドアを開けたことでひらいたわけです。レトロの扉の先にはビンテージという扉があると考えていて。なので「Hello New RETRO」ではなくさらにその先にある「New VINTAGE」としたわけです。

Q:なるほど、なるほど。レトロのさらにその先にビンテージ。具体的にどのあたりですか。
A:はい。キッチンの扉のプリント板の柄とか、楕円形の取っ手、赤茶色の縁。トイレの照明や便器の形状。洗面化粧台の丸い感じとか。洗面床のシートの柄もそうでしたね。たくさんありました、80’Sなパーツが。これは出来る限り活かそうと考えました。当初新しいキッチンに取替えようかというお話もあったのですが、十分に使えるし、80’Sな時代感満載だったので残しました。しかし、洗面のシートは痛みがひどかったので貼り替えることにしました。すべて残せばいいというわけではなくて、残して価値があり使えるものは残し、いい雰囲気なものでも機能を満たさなければ交換するという判断が難しくもあり面白いところでもあります。

Q:テーマの「Just Feeling」についてはいかがですか?
A:「Just Feeling」を直訳すると「無理なく丁度いい」。つまり、先程の話に戻るのですが残すものと交換するものの判断基準を「無理なく丁度いい」基準。なので、無理に80’sビンテージにするわけではなく、ゆ~るい感じで判断していく。その積み重ねがお部屋の雰囲気をつくり、ターゲットイメージに沿うやさしさや温もりを感じるナチュラルでスローな空間ができるんでないかと思ったわけです。

Q:では具体的にどのような工事をしたのですか?
A:大きく変更したのは和室2室、6畳と6畳を間仕切る壁と襖を撤去して無垢フローリングを貼りました。そして一部壁を壊してコンクリートを表しました。壁があったところに3枚の麻の布をカーテン風にアレンジして簡易に間仕切れるようにしました。それ以外は表装を綺麗にしただけです。

Q:表装を綺麗にすると言っても何かしらの意識があったと思うのですが。
A:はい。12畳のリビングは、床の色は濃いブラウンの自然塗料を塗り、壁のクロスや襖紙も真っ白ではなく少しアイボリーがかった色のものをチョイスしています。一方キッチンや洗面スペースは既存のライトブラウンなフローリングをそのまま清掃し残したということもあって、清潔感のある白を基調にしました。ただ少しビンテージ感を引き出すために天井のクロスを昔応接室とかで使われているような懐かしいクラシックな柄のものをさりげなくセレクトしています。

Q;他にはなにかありますか?
A:はい。壁を壊してあらわになったコンクリートが80’sな、時代感を醸し出しています。どの辺がっていいますと、専門的になっちゃうんですがね。コンクリートってセメントと砂と水で出来ていて。ドロドロとした、そうですねマックシェイクぐらいドロドロしたコンクリートを壁の形に作った木の枠(型枠)に流し込んで。時間が経つと固まって、固まると木の枠を外すんです。そしたら木の枠の、木の木目がコンクリートに形がつくんですね。普通はそのあとに薄くセメントを左官屋さんが塗って木目は見えなくなっちゃうんですが、出来たコンクリートを壁で覆う場合や天井で覆って見えなくなる場合は木目の形でおしまいなんです。だから壁や天井をばらすと、木目柄のコンクリートが出てきます。有機的で無機質で何ともイイ感じのコンクリートが。

Q:時代感は?
A:時代感は、その木の枠、型枠の形状が出てるってことです。築40年以降、つまり60年代あたりの型枠は8cm~12cmくらいの杉板を並べて固定して作っていたわけですが、70年代あたりからは幅90cmぐらいの専用の板でその後のコンクリートの仕上げを出来るだけ簡易に出来るように表面の板目が少ないもの使用するようになりました。建材や工法の時代感がさりげなくあらわになっているわけですね。

Q:麻の布のカーテンが気になります
A:3種類のカーテン的に使える布で間仕切るようにしました。3種類にしたのは気分でストライプの割合を多くしたり、ホワイトを多くしたり出来るように。ファッション的に小物やアクセサリーを気分で取り替えるのと同じように間仕切りを変えれたら楽しいだろうなぁって思って。このお部屋を借りなくても自宅で簡単に取り入れられるヒントが今回のリノベーションで提案出来たりしたらいいなぁと思いました。完成見学会ではこのカーテンに反応していただく方が多かったです。

Q:最後に一言お願いします。
A:僕が独身ならすぐにでもこの部屋に引越たいっ!! 独身の男性の皆さん、女の子にメチャウけするカッコいいお部屋ですので是非☆
お部屋についての詳しい情報はこちらをチェック
https://www.space-r.net/rent/chowa/206

キタザキ

no.7 見学会レポート☆

蝶和ビルリノベーション見学会、二日間。たくさんの方々にお越し頂き無事終了致しました。ありがとうございました。

さまざまな分野、幅広い年齢の方々にお越しいただき、同業者の方々はもちろんのこと、建築、デザインのプロの方々、アーティストさん。レトロビルをお持ちのオーナーさん。蝶和ビルの入居者さんや冷泉荘、新高砂マンション、玉川ビルの入居者さん、そして遠くは宮崎、熊本、長崎から見学にお越しいただいた方々もいらして蝶和ビルオーナー様含めスタッフ一同感謝感激しております。

またまた、高校時代の友人が15年ぶりに訪ねてきてくれたり、小学校時代の幼馴染が突然来てくれたりと、個人的にもうれしいことばかりでした。

見学会当日はと言いますと、玉川ビルの入居者さんで「つくりびと」を運営するWEBデザイナー伊藤さんが今回もコンクリートの壁を入念に撮影したり。(前回はこちら

長崎からはるばると来て頂いた平山さん達は、初めてお会いするのにも関わらず、まるで久しぶりにあった友人宅に遊びに来たかのように、リラックスした様子で床に腰をおろし、くつろいでみたり(笑)

建築家の信濃さんは平成生まれのフレッシュな学生さん達を連れてくるやいなや、急に授業を始めて、たまたまその時にその場にいた僕を含めた数名がいつの間にか生徒になっていたりと。

たくさんの方が一気にきて頂いたというわけではなく、ちょうどいい感じで流れるようにお越し頂き、お一人お一人としっかりお話させていただいたことがすごく良かったです。

室内のディスプレイは、完全に「僕の趣味」を満載に盛り込み、襖の中からは心地よい音楽が流れ、北欧のキャビネットにはお気に入りの本やCD、小物を置いてみたり。10年以上使い込んでいい味出してるジャケットや靴をところどころに置いてみたりと。。。

また今回初めて企画段階でオーナー様に提出した資料(コンセプトやターゲットイメージを書いた資料)の一部を公開したり、過去弊社が行ったリノベ部屋の写真の束を置いてみたり。 いろいろてんこ盛りでビルにとっても、会社にとっても、個人的にもすごく実りある見学会でした。頂きましたたくさんのご意見、ご感想を最大限活かし今後の賃貸リノベーション、そして賃貸住宅がさらに良くなるよう努力していきたいと思います。

さて、次回は今回のリノベのお部屋のこだわりのところを熱く熱くご紹介いたします。

そして気になるお部屋の募集情報はこちらですっ☆

キタザキ

no.6 あと2日で見学会!!ディスプレイほぼ完了。

↑部屋と部屋とを間仕切る麻の布(ピンク)

↑濃いめのブラウン色の自然塗料で仕上げた北欧パインフローリング。

↑コンクリートの壁、北欧のキャビネット、買ったけど全く似合わなかった眼鏡。

チラ見せですみませ~ん。詳しくは見学会にて。気軽に是非~☆

日時:9月7日(金)・8日(土) 13:00-16:00

会場 :蝶和ビル 203号で受付

福岡県福岡市博多区店屋町4-8(入口は冷泉公園側です。)

蝶和ビルの地図はこちら

参加費:無料

問合:事前連絡必須

お申込みはお電話・メールにてお受けいたします。

スペースRデザイン 担当:牛島まで

TEL…092-720-2122 MAIL…yj@tenjinpark.com

キタザキ

no.5 完成見学会のお知らせ

こんにちは。キタザキです。朝晩だいぶ過ごしやすくなりましたが、お昼間はまだまだ暑い今日この頃。皆さまいかがお過ごしですか?

さてさて何と今回、ビルオーナーさんの計らいにより、下記日程で見学会を行うことになりました。「櫛田神社」「福岡アジア美術館」「キャナルシティ」「冷泉公園」 など、歴史、文化、暮らしの集まる場所にある蝶和ビル。入居を考えているあなたはもちろんのこと、リノベーションに興味があるあなた、webだけでは物足りないといあなた、とにかく見てみたい! という方。大歓迎です。ぜひお気軽に遊びに来てくださ~い。スタッフ一同心よりお待ちしております。

日時:9月7日(金)・8日(土) 13:00-16:00

会場 :蝶和ビル 203号で受付

福岡県福岡市博多区店屋町4-8(入口は冷泉公園側です。)

蝶和ビルの地図はこちら

参加費:無料

問合:事前連絡必須

お申込みはお電話・メールにてお受けいたします。

スペースRデザイン 担当:牛島まで

TEL…092-720-2122 MAIL…yj@tenjinpark.com

no.4 雰囲気について

今回は雰囲気のお話。

個人的なイメージですが80’sファッションって、紺ブレにショーパン、デッキシューズを素足で履く。キレイめでカジュアルな大人な感じ。

そこから少しだけ今っぽく、よりカジュアルにしたファッションをイメージして壁紙やフローリング、カーテンなどのアイテムをチョイスしています。

建築的な切り口とファッション的な切り口で80’s New VINTAGEなRenovationやってます!!

大工工事もあっという間に完了し、来週から塗装や壁紙の工事ですー☆

それでは次回をお楽しみに!!

キタザキ

no.3 解体工事完了☆

いよいよ着工し解体工事完了しました。解体現場レポートです。

さぁ始めようか!玄間ドアを開けるとオーナーさんから素敵なお手紙とうれしい差し入れがっ(喜)。よーし、さらにやる気が出てきました~!!うお~~~!!

ベテラン解体職人さん二人がテキパキと作業を進めていきます。まずは通路の養生です。 その後早速畳を剥がしていきます。 その後和室と和室を区切っていた間仕切り壁をジワリジワリとばらし、最後にお隣のお部屋と間仕切る壁のボードを剥がしたら完了。 朝9時スタートで15時完了。さすが壊しのプロ。早いし無駄がないっ!

というわけですが、皆さま。60年代~70年代のリノベ解体レポートと比べて少し様子が違うの、お気づきでしょうか?

ちょっとわかりにくいかもですが参考までに!!

●新高砂マンション(1977年築)の場合はこちら

●玉川ビル(1968年築)の場合はこちら

●山王マンション(1967年築)の場合はこちら

見ていただけましたか~?

蝶和ビル新館は1989年築。この年代建物の畳下はこのような発砲スチロールの下地材「ネダフォーム」が多く使われています。60年代、70年代の建物の場合は木で下地を作る場合が多い。これは工期短縮や遮音性、断熱性などに優れておりこの頃特に普及したようです。

そしてコンクリート。今回のプランでは壁の一部をコンクリートむき出していく事にしているのですが、60年代のコンクリートの感じとは明らかに違います。スッキリしてます。 何故かと言いますと、60年代~70年代にかけてコンクリートを流し込む為の枠、いわゆる型枠は幅80mm程度の木材を横に並べてつくることが一般的だったようです。型枠はコンクリートが固まった頃にばらすわけですが、その型枠で使った木目がくっきりと残っていて無機質なのに有機質な、イイ感じになるわけです。 しかし、70年代あたりから天然木ではなく専用に加工された型枠用合板を使用することが一般的となったようです。型枠用合板はほぼフラットな材料のため、型枠をばらしたあとは木目がなくスッキリとした印象になるわけです。

時代の流れと共の工法や使われる建材も変化していったいるわけですね。

というわけで、20日月曜日から大工工事がスタートします。現場レポートと並行して今回のプランについてもご報告します。次回をお楽しみに―!!

キタザキ

no.2 明日着工!!

明日、2012年8月9日。いよいよ着工です。蝶和ビル新館リノベーション。どんな部屋になるのか、つくらせてもらう僕もわくわくしますっ!

てことで、取り急ぎスケジュールを簡単に説明しておきますね。 8月9日工事スタートして9月上旬完成です。簡単すぎますかね~。。。えへへ。

今回も第4弾同様現場レポートガンガンしますのでよろしくお願いします!!

あと、現場の細かなレポートはR100プロジェクトFacebookページにてお知らせいたします。 「いいね!」を押していただくと最新情報が!!ぜひぜひよろしくお願いします。

キタザキ

no.1 コンセプトとテーマについて

↑の写真はキッチンの断片

いよいよ始まります。第5弾。
まずは今回のコンセプトとテーマについて少し補足説明をします。

コンセプトの「“Hello New VINTAGE”80’sRenovation」。

これを訳すると、「(はじめまして)こんにちは、80年代の建物くん。これから新たなビンテージ&リノベーションを一緒につくっていこうね!」。という感じです(笑)。
これまで弊社でリノベーションをさせてもらった建物は1960年、70年代に竣工したものがほとんど。80年代のものの唯一は福岡市中央区大名にある「ADONOS大名」。しかし、今回のような「住まい」としてリノベーションするのは今回の蝶和ビル新館が初めて。
ということもあり、弊社の感覚としてこれまで80年代以降の建物は「古き良さ」を感じられるどころか、「新しいめの建物」という認識があったように思います。
しかし、今回蝶和ビル新館をリノベーションさせていただくお話を頂き、じっくり建物、室内を見てみると「古き良さ」を至る所に発見することができました。

80年代の建物にも新たなビンテージに成り得る断片が散りばめられていたことに気がついたのです。

そしてテーマの「Just Feeling」。

80年代後半はバブル景気真っ只中。好景気時代。世の中が浮ついていて背伸びした時代。
蝶和ビル新館はその真っ只中(1989年)に竣工しました。
バブル時代(背伸びした時代)とは対照的な無理なくちょうどいい「Just Feeling」な価値感。そのズレを否定せず、そして互いをぶつけることなく、無理なく自然に重ねてみると。。。

いろいろ書きましたが、まとめると今回の第5弾ジャケットデザインに薄ら映る、80’sビンテージのスニーカーみたいな、そんないい感じのお部屋をつくります!!
乞うご期待☆

キタザキ

第5弾 OUTLINE

R100プロジェクト第5弾スタートします。

場所は博多の氏神・総鎮守、博多祇園山笠や博多どんたくで知られる「櫛田神社」のそば、福岡市博多区・店屋町にあるレトロビル「蝶和ビル」の1室です。蝶和ビルは1971年に竣工した旧館と、1989年に旧館を増築し竣工した新館があります。今回のリノベーションは1989年竣工、新館の一室です。

コンセプトは「“Hello New VINTAGE” 80’s Renovation」。 テーマは「Just Feeling」。

バブル時代に建てられた蝶和ビル新館の住まいに、新たな価値感と80’sビンテージなNEWテイストを加えてリノベーション。 バブル時代の価値感。それとは対象的な今の価値感。 そのズレを否定せず、継承し新たな価値を積み上げる。

「無理なくちょうどいい」。

つまり「Just Feeling」な価値感で80’sビンテージなNEWテイストの住まいを。

それではスタートです。

キタザキ

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